暗記重視から「実力」重視へ。2021年からの大学入試変更点まとめ

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2016年の中学2年生が大学受験に臨む2021年に、大学入試の仕組みや試験方法が大きく変わることが発表されています。このことは多くの先生方がすでにご存知かと思いますが、具体的には、どの部分がどのように変更し、それによって、生徒たちへの日々の教育はどう影響をうけるのでしょうか。不安を感じている先生のために、今回は2021年3月から採用される大学入試の変更点をまとめます。

目次

センター試験の代わりに新たな「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」へ

最も大きな変更点は、これまでの大学入試センター試験が廃止され、「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」が新たに導入されることです。このような大きな変更がされる背景には、これまでのセンター試験が、知識の暗記や再生に偏りがちだと問題視されてきたことがあります。

そこで、これまでよりも生徒自身の思考力や判断力、表現力、主体的に周囲の人々と協力する姿勢など、社会に出てから本当に求められる力を十分に評価していくための試験内容へと変更されます。したがって、高校生の受験勉強対策も、これまでの暗記が中心となる勉強から、生徒たちの「本当の学力」を育成するための主体的な学びへと変わっていく必要がありそうです。

生徒の「思考力・判断力・表現力」が試される問題が重視される傾向に

「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」では、「思考力・判断力・表現力」を中心として生徒の能力を評価します。これらの思考力・判断力・表現力とは、「知識や技能を活用して課題を発見し、その解決に向けて探求し成果などを表現するために必要な能力」のこと。特に、「自ら課題を発見し、答えが一つに定まらない問題に解を見出していくために必要な諸能力」が重視され、それらの能力を評価するための試験問題作りが、各教科・科目において現在検討されています。

この思考力や判断力、表現力をより適切に評価するために、出題形式もセンター試験のような選択肢の中から1つの正解を選ぶスタイルの問題だけでなく、記述式や、多数の正解があり得る問題など、多様なパターンの出題が導入される予定。

特に英語の科目は、話す・書く・聞く・読むの4つの能力を重視する出題が検討されており、これまでのセンター試験では出題されなかった、ライティングやスピーキングの技能も評価対象とすることが方針として示され、実現に向けた検討が進められているところです。

各大学の個別試験も見直されていく方針

各大学の個別入試も、これまでのようなペーパーテストから一変、受験生の学力を多面的・総合的に評価する入試方法へと転換することが求められています。これによって、面接や集団討論、小論文、高校での学習や活動の成果など、アドミッション・ポリシーに基づいたさまざまな評価と、「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」とを組み合わせて一人ひとりの能力を判断する方法を取ることになりそうです。
よって、これまでの大学入試は「国公立大学は論述式が多く、私立大学は記号選択式が多い」などと分類されてきましたが、2021年移以降は、各大学の入試の形態はより多様化していくことが見込まれます。

こうした大学入試の制度や内容の改革は、教育そのものの改革にもつながることは言うまでもありません。現在、中学生以下の生徒を担当している先生は特に、生徒たちが望んだ大学に入れるためには、ただ一生懸命に暗記や問題演習をしていれば良いわけではない、ということをしっかりと心に留めておきましょう。普段の授業においても、生徒の「思考力・判断力・表現力」を伸ばす教育について、少しずつでも考えておくといいかもしれません。