人間は9つの性格に分けられる「エニアグラム」で生徒と向き合う

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自身の担当する生徒のことをなかなか理解してあげることができずに、困っている先生もいらっしゃるのでは?今回ご紹介する「エニアグラム」は、その人の性格や考え方の特徴を9つに分類したもの。心理学的根拠に基づいた分析により、信頼度の高い性格診断であるため、生徒と向き合う際に活用している教育機関もいくつかあります。この「エニアグラム」で分類される9つの性格についてまとめましたので、生徒と向き合う際の参考に、ぜひ活用してみてください。

目次

人間を9つの性格に分類する「エニアグラム」って?

エニアグラムとは、ギリシャ語で数字の9を示す「エニア」と、図を意味する「グラム」を合わせた言葉です。エニアグラムによる性格論は、1970年代のアメリカで、精神医学者や心理学の研究者に注目され、その後も研究が重ねられてきました。現在では、人間学・心理学のひとつとして世界各国に広まり、日本でも人間関係をより良くするために学ぶ人が増えています。

エニアグラムで性格診断をすることで、生徒や先生自身の基本的な性格を知ることができ、どのようにコミュニケーションを取っていけば、双方にとって最良の関わり方ができるのかを判断する要素となります。

具体的な9つの性格をご紹介!

エニアグラムで示す9つの性格タイプは、それぞれが異なった特徴を持っています。しかしここで大切なことは、エニアグラムのタイプは、「どのタイプが優れている、劣っている」などの区別はないということ。すべてのタイプが、かけがえのない大切な存在であることを前提としています。
また、エニアグラムの研究者によってタイプの特徴を一言で表す呼び名は異なるため、ここでは『日本エニアグラム学会』で紹介されている、ドン・リチャード・リソ氏のつけた名前でご紹介していきます。

【エニアグラムの9つの性格分類】
■タイプ1:改革する人
自分の描いた理想に向かって努力をする人。何事もきちんとこなすことを大切にし、何かもっと良いやり方があるのではないかと改善しようとする。周りを良くしたり、自分を向上させたりするための努力を惜しまず、常に公正と正義を心がけている。
しかしその結果、理想と現実とのギャップに憤りを感じることも。心の中に秘めた怒りを人前に出すことは滅多になく、外見からは冷静。正直で、率直で、人と公平に接しようと努め、日常に根差しながら、より良い人生を目指そうとする。

■タイプ2:人を助ける人
親切で、細やかな心遣いができる人。困ったり悩んだりしている人には救いの手を差し伸べずにはいられない。常に、人を助けたい、必要としているものを与えたいという気持ちで行動する。
しかし、相手がそれを必要としないと判ると落ち込み、自分の行為に対して感謝されないと憤ることも。自分に対してプラスの感情を相手に持ってもらうために、自分の欲求を犠牲にして、他の人に愛を注ぎ、その代償として自分を愛してもらおうとする傾向がある。相手と心が通じ合い、コミュニケーションが上手くいくことが、人間関係でとても大切だと考えている。

■タイプ3:達成する人
成功することが最も好きで、そのためには手段を選ばない人。常に明確な目的や目標があり、その達成のためにはどうすべきかを考えている。
その反面として、失敗を極度に怖れているため、成功できなそうなものは極力避けようとする傾向。自分の周りにいる人たちのもつ才能を見抜き、みんなを励まして、目標の達成へと導く優れたリーダーとして、組織力を発揮する。
成功することが大事ですから、時間を有効に使い、あらゆることを効率的にしようとします。

■タイプ4:個性的な人
ユニークで独創的な、何よりも感動を大切にする人。芸術的で、行動派でもあり、人と同じであることを嫌う傾向がある。感受性が強く、人の気持ちに対してとても敏感。一人ひとりの持つ個性や雰囲気の素晴らしさに素早く気づく。
個人主義的で自己探求心が強いため、大きなグループには入りたがらず、限られた範囲の自分を理解している人たちとは特別に深いつながりを持ちたいと考える。自分の感動を大切にし、その感動を芸術的な方法で表わそうとする一方で、何かにつけて個人的に受け止め、個人的に発表しようとする。自分は他人から理解されていないという不満を抱えており、他人に嫉妬し、羨望する傾向も。

■タイプ5:調べる人
物事をじっくり考え、データを集めて慎重に行動する人。さまざまなことを調べる研究者タイプで、何かを進めるに当たっては、まず考え、情報を重視するが、あまり実際的でない場合も。
また、知識はあっても、積極的にそれを他者へ分け与えたり、自分の考えを表現したりしようとはせず、傍観者、観察者の役割を果たすことを好む。自分の興味の対象を追求するあまり、身の回りのことを犠牲にしても知識を蓄積しようとする。専門家として、時には価値あるアイデアを生み出すことも。

■タイプ6:忠実な人
真面目さと誠実さを大切にし、周りと仲良くしたい気持ちを人一倍強く持っている人。何事に対しても誠実で責任感が強く、互いに支え合う方法で協力的に、一所懸命に働く。
しかし、常に失敗に対する不安があり、この感情をなくすために、自分以外のものに頼ろうとする。何かのグループに属しようとし、規則を尊び、権威ある人物に従順で、組織から命じられたことは忠実に実行しようとする。そのため、自分から積極的に物事を決めずに、結論を引き延ばす傾向も。

■タイプ7:熱中する人
人生を楽しく、明るく過ごしたいと考える人。物事に熱中した時の陶酔感を大切にする。さまざまなことに挑戦し、人生には多様性を求める。聡明で明るく、ざっくばらんで、くつろいだ感じを好み、未来について計画したり、夢を追ったりするのが大好き。
しかしその反面で、苦しみや辛さからは出来る限り回避しようとする。自分を縛り付けることが嫌いで、楽しい人生を他者と共有したいと望んでいる。その結果として、やや落ち着きに欠けるところも。

■タイプ8:挑戦する人
自己主張が強く、何事にも第一人者でありたい人。他者に頼らず、正しいと思ったことをどんどん推し進めていく。
弱い者や自分を頼ってくる人を助けようとする反面、対立する人や、自分に挑んでくる人を排除しようする傾向も。困難に挑戦して克服することで、自分は生きていると感じる。人を動かすことが‘好きで、自分の弱さを見せたがらず、自然に備わった力で人を引きつけ、場を盛り上げることができる。本能的な直感が鋭く、簡潔明快で率直。不正は断固として許さず、好き嫌いがはっきりしている。

■タイプ9:平和をもたらす人
落ち着いてゆったりとした安定感がある人。内面での静けさを保っていたいので、葛藤や不快な状況は好まず、もしその状況に遭った場合、解消しようとしたり、避けようとしたりする。普段から、心の内側で落ち着きを保っていて、平和に円満に暮らすことを好む。自分から事を起すよりも、身の回りで起こることに合わせようとする。動き出せば大きな力を発揮し、創造的になれる人。想像力やビジョンがきちんとイメージできている。
平和を愛し、人と争うのが嫌いなため、周囲を穏やかにする。他の人に対する価値判断をしないので、その人たちの間で一緒にいることができます。物事を切り替えたり、新規にやり始めたりするよりは、順当に起伏なく過ごす方が性に合います。

エニアグラムの診断は、いくつかの無料診断サイトがインターネット上にもあるほか、企業などでエニアグラムを取り入れる際のための専門業者も存在します。まずは先生ご自身で診断してみて、自分が9つの中の、どの性格の分野に該当しているのかを調べ、その精度を確かめてみてはいかがでしょうか。その後、生徒にエニアグラムの診断をさせて、コミュニケーションの参考にしてみると、信頼関係を結ぶのに役立つかもしれません。