大切なのは学歴よりもその先の社会でどう生きるか。 坪田先生の思う教育の本質とは?

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教育とは、一体何のためにあるのでしょうか?学歴主義の社会で、ふと、そんなことを考えて悩んでしまうことはありませんか?『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者、坪田信貴先生は、はっきりとその答えを提言されています。「教育で大事にすべきことは、生徒に自信・居場所・他者への敬意の3つを与えることである」。そこには、必ずしも塾生の成績が優秀であることに重きを置かない、坪田先生ならではの考えがあります。社会に出たら、サラリーマンではなくビジネスマンであれ。先生たちの働き方の参考になるメッセージも頂きました。

目次

『自信、居場所、他者への敬意』坪田塾が大事にしている3つのこと

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    うさぎ

    坪田先生が、生徒に向き合うときに大事にしていることを教えてください。

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    坪田先生

    僕は教育を通して子どもたちに与えるべきものが3つあると思っています。それが、『自信、居場所、他者への敬意』です。これらのひとつでも欠けていたら、子どもたちは社会に出てから幸せに生きられないでしょう。まず、「自信がない」のは上司から信頼されないですよね。自信を持って、積極的に動いていく人が会社でも出世できます。それに、「居場所がない」のも生きていく上で辛いですよね。心のよりどころは必要です。そして、自信も居場所もあるけれど、「他者を見下している」というのも問題です。これでは、周囲の人々との関係性がうまく築けません。だから、教育を通してこの3つを生徒に見つけて、身につけてもらうことを坪田塾ではとても大事にしているんです。

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    うさぎ

    必ずしも名門校に合格することではなく、生徒が社会に出た際の生き方まで見越して、坪田先生は教育をされているのですね。これらを達成するために、坪田塾ではどんな工夫をされているのでしょうか?

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    坪田先生

    何よりも、気持ちを理解しようとしている姿勢を生徒に伝えることです。坪田塾の講師陣に伝えているのは、「相手を抱きしめているイメージをしながら人と接する」こと。抱きしめている時って、相手に愛情を持っている時ですよね。そんなイメージを持ちながら接すれば、自然と声のトーンや表情などに愛情が滲みでてくるんです。そうすると、相手は感覚でそれを察知して、スムーズに心を開いてくれるんですよ。心理学ではこれを「ラポール形成」といいます。自分の事を大事に思ってくれていることが分かると、人は無意識にでも相手に安心感を覚えるものです。

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    うさぎ

    心理学をアメリカの大学で学んできた坪田先生だからこそ、そういった手法を積極的に教育に取り入れられているのですね。

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      坪田先生

      もともと心理学や哲学を通して、人の想いについて考えることに興味があったんです。それが、現在の坪田塾の教育に少なからず影響はしていますね。

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      うさぎ

      ですが、今まで多くの生徒と接してきた中で、なかなか心が通じ合えない子も中には居たのでしょうか……?

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      坪田先生

      「この生徒は自分と合わない」といった考え方はありえませんね。そう思うのは、自分自身が相手を受け入れるだけの器がないから。どんな場合でも、相手に合わせてアップデートしていかなければならないと思っています。勉強にやる気を出せないなら、どうしたら勉強を楽しいと思ってくれるか考えて、こちらが努力すればいいんです。

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      うさぎ

      そこまで親身に自分と向き合ってくれる先生となら、生徒の方も、勉強でも何でも頑張れそうな気がしてくるでしょうね!

    • tsubota

      坪田先生

      坪田塾のミッションは、塾生の人生そのものを応援することです。志望校に合格してからも、子どもたちが大人になっても、長期的に支え続けていきます。就職や結婚の相談にも乗る、総合的な私塾なんです。最近は塾生から離婚の相談を受けたこともありますよ(笑)

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    サラリーマンではなく、ビジネスマン。自ら課題解決ができる人間であれ

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      うさぎ

      勉強だけでなく一生涯かけて坪田塾の「精神」のようなものまで学べる環境は、まさに江戸時代や幕末に数々の偉人を輩出した私塾のような印象を受けます。そのように生徒との関係性を結んでいく先に、坪田先生はどんなものを描いているのでしょうか?

    • tsubota


      坪田先生

      坪田塾で育った塾生たちが、社会のさまざまな場所でリーダーとして活躍してくれればいいなと思っています。組織は、リーダーが変われば確実に変わりますよね。塾生たちがあらゆる組織のリーダーとして成長し、一緒により良い社会を作り上げていけたら嬉しいですね。

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      うさぎ

      教育を通して社会を変えていくなんて、壮大なビジョンですね……!

    • tsubota


      坪田先生

      坪田塾の塾長としてホームページでもメッセージを載せているのですが、僕は塾生たちに「サラリーマン」ではなく「ビジネスマン」になってほしいと思っているんです。

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      うさぎ

      サラリーマンとビジネスマン……。この2つには、どんな違いがあるのですか?具体的に教えていただきたいです。

    • tsubota

      坪田先生

      サラリーマンとは、会社に時間を買われて給料をもらい、その代わりに会社の言うとおりに動く人のこと。一方でビジネスマンとは、会社や地域の課題を見つけ、それを自ら解決していく人のことです。今の日本には、サラリーマンばかりで、ビジネスマンが少ない気がするんです。国の教育方針に基づいて、決まった教科を決まったカリキュラムで教えられ、先生の言うとおりに宿題をこなし、進路の選択や日常の選択では、親の言うままに育ってきた子どもが大人になる。そして今度は、上司の言うことや会社の命令に従って、休日は会社の愚痴を言う。これって、本当に「生きてる」って実感ができるんでしょうか?僕は塾生たちに、同じ志を持った仲間と夢に向かって挑戦して、失敗しながらでも成長していってほしいんです。

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      うさぎ

      自分の意志で、自分の判断で道を切り拓いていく大人になってほしいと。

    • tsubota

      坪田先生

      ええ。それによって、「生きてるなぁ」っていう実感を持ってほしいです。受験だって同じ。今の成績や偏差値だと、「これくらいの学校しかいけない」って決めるのは、親でもなく、先生でもなく、彼ら自身です。そうじゃなくて、本当の目標に向かって努力できるような人であってほしい。塾生たちが社会に出ても、これは変わりません。

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      うさぎ

      こうして坪田先生からお話を伺って、坪田塾では「難しい」と言われていた学校への合格者が多い理由が分かった気がします。やる気の出し方が分かって、それをサポートしてくれる先生がいるからこそ、生徒たちは全力で頑張れるのですね。では最後に、教育の現場で生徒たちと日々向き合っている先生たちに、メッセージをお願いします。

    • tsubota

      坪田先生

      先生たちにも、「サラリーマン」ではなく、「ビジネスマン」の思考で教育に取り組んでほしいですね。とはいえ、現在の学校教育の現場はカリキュラム至上主義。規則や業務内容の問題で、一人の先生ではどうにもできない場合だってあるでしょう。それこそ、例えば僕が学校で「教育とはこうあるべきだ!」と好き勝手な意見を言ったら、教育委員会に謝罪文を提出したりしないといけないでしょうしね(笑)そんな環境の中で先生ができることは限られてしまうのかもしれませんが、先生それぞれが、自分の正しいと信じたことを全うする意識は大事だと思います。

    先生とは、教育とはどうあるべきか。坪田先生のお話から、生徒の本気を引き出すためには、「先生自身がいかに生徒のことを真剣に考えられるか」にかかっているように感じました。
    塾や学校、お稽古教室など教育の現場は違えど、坪田塾の手法には、生徒とより良い関係を築くためのさまざまなヒントがありそうです。

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