アクティブ・ラーニングを授業に取り入れるために先生が心得ておくこと

pixta_23398443_M

生徒が能動的に学ぶアクティブ・ラーニング。その環境を作るには、先生がしっかりと基盤の知識と技術を持っていることが必要不可欠です。ひと言でアクティブ・ラーニングと言っても、その手法はさまざま。しかし、どんな場合でも外してはいけない重要なポイントがいくつかあります。

目次

小さな工夫でいつもの授業をアクティブ・ラーニングにすることは可能

アクティブ・ラーニングが目的としているのは、生徒が受動的な場合の多い教育のスタイルを、能動的に転換させることです。そのため、グループ活動のような実際に生徒たちが自由に判断して動く授業内容でなくとも、少しの工夫で実現可能なもの。先生の問いかけに対して、生徒たちが積極的に教科書を読んだり、答えを考えたりすることも、立派なアクティブ・ラーニングといえるでしょう。

ここで、同じ「教科書を読む」という行動の中で、先生が、いかに生徒たちに能動的な行動をさせるような声掛けができるかが重要になります。

例えば、先生が「最後に隣の人に学んだ内容を説明してもらいます」と言って始めた授業の方が、生徒はより能動的に学ぶようになることが実験でも分かっています。
例)
①「今日は、幕末の歴史を勉強します。大事な単元なのでよく話を聞くように」

②「今日は、幕末の歴史を勉強します。最初は説明をよく聞き、途中で理解したかどうかの確認をします。授業の最後には、隣の人に学んだことを話してもらいます。友だちに説明できるように、自分なりに整理をしながら学びましょう」

①よりも②の説明の方が、生徒は能動的に学びます。
先生側の問いかけや授業の内容、ゴールの設定を少し工夫することでも、アクティブ・ラーニングを行うことは出来るのです。

先生に求められる能力が変化する

アクティブ・ラーニングでは、先生と生徒それぞれが学びに対する関わり方を変える必要があります。先生は、これまでの「情報を伝える、解説する」という役割よりも、「生徒の学び方をデザインする」役割が重要になっていきます。

これに伴い、今までは先生の指導力の向上といえば、「いかに教材を理解するか、いかに上手に説明するか、どれだけわかりやすいプリントを作成するか」などが重要だったものが、今後は加えて「いかに意欲を引き出す問いかけができるか、生徒の力を引き出すことができるか、グループやチームの力を引き出すことができるか、集団での学びを促進することができるか」という点を先生は強化させることが必要になります。

まずは安心と信頼のクラスづくりを

アクティブ・ラーニングを進める前に最も重要になることは、生徒たちと先生の間、生徒同士の間にきちんとした安心と信頼が築けていることです。
安心と信頼がないクラスの中でアクティブ・ラーニングをやろうとしても、十分な効果が得られない可能性があります。なぜなら、アクティブ・ラーニングを行うためには、安心して自分の考えや意見を発言できる環境が不可欠だからです。例えば、グループ活動などで見当違いの発言をしたとしても、仲間がそれを許容してくれる関係性ができ上がっていなければ、生徒同士が自分の意見をしっかりと発言して、能動的に活動することはできません。まずは、アクティブ・ラーニングの手法を取り入れられる良好なクラス作りが、先生には求められています。

今後も注目度が上がっていくことが予想されるアクティブ・ラーニング。今回ご紹介した内容を参考に、先生として、今どんな能力を身につけておくべきなのかをここで振り返ってみる機会にしてもらえたら幸いです。