今さら聞けない「アクティブ・ラーニング」が大事な理由

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教育の分野で良く耳にするようになってきた「アクティブ・ラーニング」という言葉。なんとなくその意味を知っていても、根本から理解している先生が全てではないのではないかもしれません。今や知っていて当たり前のようになっている言葉だからこそ、今さら人に聞けない「アクティブ・ラーニング」の基本を簡単にまとめました。

目次

そもそもアクティブ・ラーニングって?

アクティブ・ラーニングとは、日本語に訳すと「能動学習」のこと。名前の通り、学習する側が受け身ではなく、自主的に学んでいく姿勢を重視する学習法方のことを指しています。
文部科学省の用語集では、以下のように説明がされています。

「教員による一方的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学習者が能動的に学習することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習などが含まれるが、教室内でのグループディスカッション、ディベート、グループワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。」

また、「アクティブ・ラーニング=身体を使って学ぶグループ学習や体験学習」といったイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。このように単に「活動的に」学ぶという意味だとアクティブ・ラーニングは誤解されがちですが、アクティブに動かす必要があるのは、生徒の「身体」ではなく「脳」のこと。その学習方法を通して、生徒が能動的に活動していなければ意味がないのです。
言い換えれば、先生による一方的な授業でなければ、座学でもアクティブ・ラーニングと呼ぶことができます。

日本でアクティブ・ラーニングが注目されるようになったきっかけ

日本の教育でアクティブ・ラーニングへの注目が高まったのは、大学教育がはじまりです。2012年8月に発表された文部科学省の答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」が一つのきっかけでした。

資料の中では「従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である」と述べられています。

続いて2014年11月には、文部科学大臣が出した小中高の学習指導要領を見直すための諮問の中に「アクティブ・ラーニング」の言葉が登場しました。

そもそも学習指導要領は、小中高校で「何を学ぶか」を詳細に記述したもの。教科書や各学校のカリキュラム、シラバスはこれを元にして考えられます。学習指導要領にアクティブ・ラーニングの視点が取り入れられると、「何を学ぶか」だけではなく「いかに学ぶか」という点まで重視されるようになるので、日本の教育の大きな変革となるともいえるのです。

今後はアクティブ・ラーニングで培った力が試される時代に?

中学校や高校でのアクティブ・ラーニングに関しては、2021年度から大学入試が大きく変わると言われていることも関係しています。

2021年度入試が行われるのは約5年後。大学入試改革は、実はすぐそこまで迫っています。そこで、大学入試が今後どう変わるのか、ポイントをまとめました。

・現在の大学入試センター試験が廃止され、「高等学校基礎学力テスト」と「大学入学希望者学力評価テスト」の2種類の試験が導入される
・大学入学希望者学力評価テストで試されるのは主に「思考力・判断力・表現力」になる
・大学個別の選抜は「主体性・多様性・協働性」などを試すための多面的・総合的な評価を行う

これからの時代で求められるのは、ただ多くの知識を持っていること自体ではなく、その知識を使って新たな問題を発見し、解決する力です。また、これまでの世に無かったような、新しい知識を創造する力も重要視されるでしょう。

常に変化し続ける世界情勢の中で、新しい価値を生み出すことが、日本社会でも大事にされつつあるようです。

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