大掃除の前に見直したい「掃除の時間」の意義

■このロケーションは撮影用にレンタルした施設です。■被写体の人物はストックフォトモデルです。撮影許諾を得ています。【モデルリリース:取得済み】

長期休暇前の学校で行われる大掃除は、教室の普段見逃している部分をきれいにするチャンスです。もちろんそれも重要ですが、掃除の時間は、子どもを成長させるためにも大きな意義があることを先生は意識しているでしょうか?日本のように学校生活の中で子どもたちが自ら掃除をする習慣がある国は、世界的に見ても少ないというデータがあります。しかし、海外からは日本の学校の「掃除の時間」がすばらしいと評価をされることも。一般家庭のお掃除とは異なり、子どもたちが大勢で一度に取り組む学校での掃除の時間には、社会に出てからも役立つ学びがいくつもあるのです。

目次

仏教が由来?日本の学校の掃除文化

なぜ、日本では当たり前のように「掃除の時間」が学校で設定されているのでしょうか。その理由のひとつには、仏教の教えが関係しているようです。

仏教の開祖であるお釈迦様は、「掃除の五功徳」として、掃除をする意義を次のように弟子に説いたと言われています。

一、自分の心が清らかになる。
二、他の人の心を清らかにする。
三、この世のすべての存在が生き生きとする。
四、すっきりと美しい行為の種がまかれる。
五、死後、必ず天上に生を受ける。

ここから、禅宗のお寺では、掃除は心を磨く修行の一つとされ、江戸時代の寺子屋でも子どもたちが掃除を行っていました。これがそのまま、明治以降の学校教育に受け継がれたそうです。

掃除の時間も子どもにとって貴重な学びの場

掃除の時間には、以下に代表されるような学習効果があります。

・協調性
一人だとなかなか終わらない作業も、先生や子どもがそれぞれに役割分担をして、協力しながら掃除をすることで、子どもたちの協調性やチームワークを養うことができます。

・段取り力
教室掃除の場合、最初に机を全て後ろに下げ、黒板掃除やほうきでの掃き掃除をし、雑巾で拭き掃除をして、次に、机を前方に集め、再び掃き掃除、拭き掃除という順番が一般的。しかし教室のレイアウトや置いてあるものによって、状況は異なるため、掃除の時間を通して、どうすれば効率的に作業ができるかを無意識に考え、工夫をすることで段取り力が身につきます。

・気付き力
普段は気にとめない場所まで掃除をすることで、意外な場所に汚れが溜まっていることや、掃除の大変さに子どもが気づくことができます。そこから、きれいに掃除ができる裏技を考えたり、そもそも汚さないようにするにはどうすればいいかを工夫したりするきっかけにもつながります。

こうして掃除を通して養った力は、勉強や生活の中でも活かすことが可能です。さらに、社会に出て活躍する際にも、とても重要な経験になります。先生としては、掃除の時間を通してしっかりとこれらの力を子どもたちの中に育んであげたいものです。

教育の一環として掃除を行うために

掃除の時間をしっかりと教育につなげるために、先生は子どもの動きや態度にしっかりと気を配りましょう。まずは掃除の分担表などを使って、大勢で掃除をする際の効率的で正しい掃除の方法を示してあげることも重要です。ある程度やり方が定着している場合は、徐々に子どもたちの自主性を尊重してみましょう。

子どもたちを「デキる大人」に成長させるために、掃除の時間も教育者として有効活用する意識を持つことで、より意義のある学校生活を子どもたちに提供することができるのではないでしょうか。