競争社会を生き抜く生徒を育てるために 健全なライバル心の育て方

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現代の教育の現場では、生徒それぞれの個性を尊重したり、弱い存在になりそうな生徒を守ったりするために、意識的に生徒同士を競争させないような工夫がされているところも少なくありません。しかし、生徒の成長を促すためには、仲間同士での健全なライバル心は大きなパワーの源に。それを上手にコントロールして、生徒を伸ばしてあげるのは、先生の役目です。では、どんな工夫をすれば、円満に生徒が切磋琢磨できる環境作りができるのでしょうか。そのポイントをまとめました。

目次

社会に出たら競争はつきものだということを教えよう

生徒に優劣をつけることは、保護者からの要望や、学校の教育方針から避けられる場合もあると思います。しかし、生徒が羽ばたいていかなければいけない社会は、評価されるものだけが長く生き残っていける厳しい側面も兼ね備えています。仕事のできる人はどんどん出世するし、料理の美味しい飲食店は繁盛するもの。そのことに身をもって気がつけないまま、生徒に学生生活を過ごさせてしまうのも、先生としては少し考えなければなりません。

現代の子どもたちは、昔と比較して競争心や熱意が不足しているとも言われますが、先生の指導次第で生徒の姿勢は少なくとも変化するはずです。
先生としては、生徒に競争心を無理矢理与えようとするのではなく、それぞれの生徒の中にある競争心の芽を引き出すように働きかける心がけをしたいものです。

まずは生徒が本気になれることを見つけてあげる

「負けたくない」という気持ちを起こすには、まず生徒がそのことに対して一生懸命に取り組めたり、人に譲れないこだわりを持っていたりするりすることが大切です。つまり、生徒自身がそれに夢中であるかどうかが重要なのです。

先生は、そのように生徒が夢中になって努力できることを見つける手助けをしてあげましょう。好きなことでライバル心が芽生えると、生徒の想像力や好奇心も大いに刺激されます。勉強や部活動なども、生徒が自主的に努力するように先生が普段から「好き」を育てる心がけや、生徒一人ひとりをしっかりと見ている態度を示すようにしましょう。

ライバル心を間違った方向に向けないために

ライバル心は、時に身の回りの友だちを敵視して、相手の不幸を喜ぶような気持ちを生む危険性も含んでいます。人間関係の中で協力や連帯感、信頼関係が不足していると、ライバル心は虚栄心・名誉欲・破壊本能・攻撃性など、好ましくない行動を導いてしまうことも……。これを防ぎ、クラスメイトや仲間を大切にして、充実した雰囲気の中での競争意識を育ててあげることが先生の役目です。

そのためには、日頃から仲間を思いやる意識を生徒に伝えるだけでなく、先生自身が競争社会の中で一生懸命努力している姿を見せることが重要になってきます。

例えば、先生が部活動の指導技術を上げるために、勉強会に参加したり、本を読んで知識をインプットしたりしているのを生徒が知れば、「勝つ」ためには周りを蹴落としたりするのではなく、自らが努力して目標に近づくことが大事だと気がつくかもしれません。

また、先生が「◯◯学校に負けないように頑張ろう!」と、特定の人物やライバル校を名前に出して生徒を鼓舞するよりも、「関東大会に出場できるように頑張ろう!」と、最終的なゴールを示すことも重要です。

この場合、「◯◯学校に勝つ」ことは「関東大会出場」のための過程でしかないにもかかわらず、ライバル校に対して執拗な敵対心を生徒に持たせてしまうことにもなりかねません。

また、生徒をよく見せたいと思うあまりに、先生や保護者から見て、それができたら人に誇れるようなことを選んで押し付け、生徒のライバル心を助長するようなことも避けなくてはなりません。

ライバル心は相手を負かすためのものではなく、自らを磨き、向上心の実りをもたらすもの。そのことを、成長の過程で生徒たちに伝えていくように心がけましょう。

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