学校現場における業務の適正化に向けて③:長時間労働という働き方を見直す

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文部科学省では、次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方の見直しと業務改善をするため、平成28年4月に堂故大臣政務官を座長とする『次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース』を設置。この詳細が2016年6月13日に発表されたので、今回はポイントとなる4つのトピックスをまとめてみました。この記事では、「3、長時間労働という働き方を見直す」という項目についてご紹介します。

目次

長時間労働が当然の教育現場の現状を改善!

このトピックスで目標とされているのは、以下の2つです。

・ワークライフバランスを含むタイムマネジメントなどの意識改革を加速し教職員の働き方を継続的に見直すとともに、心身ともに健康を維持できる職場づくりを推進。

・教職員が本来の労働時間で退校することを理想とし、学校、教育委員会、国のパッケージの取り組み(明確な目標設定と、適切なフォローアップ・改善支援)により効果を発揮する。

一般企業でも言及される「ワークライフバランス」。しかし、教育の現場においては、これがなかなか普及していないのが実情です。教育に関わる人々の意識改革などを通して、先生方が心も身体も万全の状態で生徒と向き合うための具体策が、以下の4つです。

取り組み内容1:勤務時間管理の適正化の推進

長時間労働を抑制し、働き方改革を実行・実現することは、政府全体の重要政策の一つ。学校現場における長時間労働の改善にも向き合う必要があります。

〈具体的な改善方策の例〉
■国
・通知等による勤務実態の適切な把握と時間管理の徹底の働きかけの促進
・学校閉庁日等のインターバル設定の促進
(成果を上げている良好事例の収集・発信など)
・長時間労働改善のための周知・啓発キャンペーンの実施

取り組み内容2:教員の勤務実態を的確に把握し、フォローアップを推進する

国際的に見ても長い勤務時間、多忙な勤務環境が指摘される日本。教員の勤務実態を的確に把握し、勤務環境の改善策の充実・見直しにつなげる必要があります。

〈具体的な改善方策の例〉
■国
・平成 28 年度より5年毎に勤務実態調査※の実施を検討
※教員の総勤務時間数(平成18年度調査との経年比較等)に加えて、勤務の質・内容も把握するため、教員や専門スタッフの配置やICTの整備状況、学校が抱える課題などと業務の改善との関係について分析。単なる労働時間だけでなく、教職の特性から来るストレスの強度など労働負荷について他職種との比較や教員の担当業務ごとの違い等を分析

取り組み内容3:教職員の意識改革と学校マネジメントを推進する

全てを教員が抱え込まず、他者と連携・分担する意識、チームとして協働する文化を学校に取り入れることが大切。また、校長などが率先して業務を見直し、効率化・合理化を図ることも求められる。

〈具体的な改善方策の例〉
■国
・管理職等研修の中で、学校経営のワークライフバランスについて学ぶ時間を設けるなど研修内容の見直しを検討
・学校マネジメントフォーラムなどを通じた普及・啓発の推進
・学校評価の項目への勤務管理状況、休暇取得状況などの位置付けの促進
・勤務環境改善に関する優良表彰制度を設ける

取り組み内容4:メンタルヘルス対策の推進

教職員が心身ともに健康で教育活動に専念できる労働環境を確保するためには、教職員のメンタルヘルス対策の改善が必要。

〈具体的な改善方策の例〉
■国
・ストレスチェック制度の導入に係る実態調査
・各教育委員会の職員が労働安全衛生管理体制に係る関係法令などを学ぶ時間の充実
・各自治体での先進事例、優良事例の把握や周知
■教育委員会
・教職員の勤務状況、改善指導状況の教育委員会への定期的報告の徹底
・管理職を対象とした学校マネジメント研修などの実施
・労働安全衛生法に基づくストレスチェックの実施や面接指導の体制整備
■学校
・勤務環境改善に向けたPDCAサイクルの確立

「教職員は長時間労働が当たり前」という現状を変えるためには、現場の意識改革が必要です。国や教育委員会も学校教育の改善に向けてさまざまな対策を考えているので、文部科学省の今後の動きなども含めて、このような教育に関する制度の情報にアンテナを張っておくことも大切です。

そして、うさぎノートもまた「先生方の業務の効率化」を目指し、教育の現場にとって役に立つサービスとなるよう、日々運営しています。

【参考資料】
学校現場における業務の適正化に向けて−次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォース報告−

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