信頼関係を育む生徒の悩みを「聴く」力

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生徒の一人が、なんだか元気がなくて、何かに悩んでいる様子……。そんな時に、さり気なく相談に乗ってあげられるのは、ほかでもなく、いつもそばで接している先生です。しかし、悩み事はなかなか人に話しにくいもの。生徒の心を開いて、一緒に問題を解決するためには、聞き方にも工夫が必要です。そのためのポイントをまとめました。まずは悩みを人に打ち明ける効果からご紹介します!

目次

悩みを人に話すことで得られる「カタルシス効果」って?

他の人に対して悩みを話すと、「カタルシス効果」が起きるというメリットがあります。カタルシスとは、自分の心の中にあるわだかまりを解放することで、気持ちがすっきりすること。
人に話すことで、自分が何に思い悩んでいるのかを客観的に考えて整理することができるので、洗いざらい話をすれば、悩んでいたことが解決するケースもあります。

だからこそ、まずは先生が悩んでいる生徒に対して悩みをしっかり「聴く」姿勢が大切なのです。

いきなり本題に入らず、まずは雑談から

急に「何か悩んでいるの?」と尋ねるのではなく、「週末はどんな風に過ごした?」とか「最近ハマっていることは何?」など、とりとめもない会話から始めるのがポイントです。また、「最近ネコを飼いはじめたんだけど、◯◯さんの家でも飼っているよね?しつけのコツはある?」などと、先生から話題を振って問いかけると、スムーズに何でも話してくれるようになる場合も。

そのようして生徒との会話に馴染んできた頃に、「そういえば、友達とは最近どう?」や、「進路はだいたい決まってきた?」などと、生徒が悩んでいそうな内容の話題を振ってみると、生徒も本当のことを打ち明けやすくなります。

どんな内容でも、冷静に受け止める

生徒が悩みを打ち明け始めたら、それがどんなに深刻でショッキングな内容だったとしても、先生はあくまで冷静に、落ち着いて話を聞く態度を貫くようにすることが大切です。

相手がどっしりと構えていると、生徒は安心して「この人になら何を話しても大丈夫だな」と信頼をしてくれるようになります。そしてその時に、しっかりと相槌を打つことも大切です。

まずは生徒自身が今どんなことに悩んでいて、どんな気持ちでいるのかをきちんと理解することに努め、しっかりと生徒の話を聞いていることを感じてもらいましょう。

ネガティブな発言は、同意せずにそのまま繰り返す

例えば、家族やクラスメイトとの間でのトラブルに悩んでいる場合などは、生徒の口から「嫌い」や「ムカつく」などといったネガティブな発言が出てくることも少なくありません。その時に、先生はむやみに「そんな言い方は良くないよ」と注意するのではなく、「嫌いなんだね」、「ムカつくんだね」などと、そのまま生徒の言葉をオウム返しにするようにしましょう。

あくまでも中立的な立場で、生徒の気持ちを興奮させたり、反発心を刺激したりしない工夫が大切です。

助言は相手の話を一通り聞いてから

悩みに対するアドバイスをするのは、生徒が一通り話してからにしましょう。まずは、生徒の悩みにしっかりと耳を傾けることが大切です。前述のとおり、「カタルシス効果」で話し終えると悩みが解決する場合もあります。

また、悩みを打ち明けている途中の段階でアドバイスをしてしまうと、「先生は何も分かっていない」などと、かえって反感をかってしまうケースも。

アドバイスや自分の気持ちに対する同意が欲しい場合は、生徒の方から「どう思いますか?」、「自分は間違っていますか?」などと問いかけてくることも多いので、生徒の状況を見て、アドバイスが必要かどうかを判断しましょう。

悩み相談というと、どうしても先生としては解決に導くためにアドバイスをしてしまいがちですが、そうすると生徒が悩んでいることを全て吐き出せない場合もあります。
また、これらのポイントは、定期的に行われる個人面談や進路相談の際にも有効です。まずはとにかく「聴く」ことに徹して、「この先生なら分かってくれる」という生徒からの信頼を築いていきましょう。