Life is Tech!代表・水野雄介氏に聞く、これからのIT教育 前編

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教育の分野で活躍する著名人にインタビュー。その人のこれまでと、現代の教育について考えていることなどを伺います。今回の主人公は、株式会社Life is Tech!の代表取締役、水野雄介さんです。前編では、水野さんが会社を設立するまでの経緯について語ってもらいました。

目次

自分の教師としての経験が、事業のヒントにつながっている

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    うさぎ

    起業しようと決めたのはいつごろですか?

  • mizuno1

    水野

    実は、もともとは教師志望だったんですよ。慶応大学の大学院に通いながら、開成高校で1年、早稲田大学の付属高校で2年間物理の非常勤講師として働いていました。

    そのあと人材コンサルティングの一般企業に3年間勤めたのですが、当時でも最終目標は『教師になること』でした。可能性が秘められた中高生という存在そのものが大好きで、彼らのためにもっと世の中の教育を良くしていきたい、という野望がずっとあったんですよ。
    そんなわけで、僕は学生時代から起業しようと思っていた、といったタイプでは全然なかったです。

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    うさぎ

    実際に先生として教育の現場を経験されているんですね。その時のことに
    ついて教えてもらえますか?

  • mizuno1

    水野

    生徒たちと関わっていく中で、10代の子どもたちの持つ可能性にさらに魅せられました。彼らの成長をどんどん促せる『教師』という職業のやりがいも感じました。その反面、職業としての先生の大変さを実感したのも事実です。

    私は1年生のみの担当だったのですが、それでも1日平均5回の授業をこなすのはかなりパワーが必要でした。考えてみれば、1日8時間働くなかで40人の前で45分ものプレゼンテーションを5回もしているみたいなものですからね。Life is Tech!は、IT教育において、現場の先生方の手間をできる限り軽減することも目指しています。
    その根底には、私自身の教師時代の経験もやっぱり影響しているんだと感じます。

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    うさぎ

    実際に生徒と関わりながら感じていたことはありますか?

  • mizuno1

    水野

    開成高校も早稲田大学付属高校も言わずと知れた進学校です。生徒たちはもちろん優秀なのですが、だからこその『偏差値至上主義』の部分に疑問を感じることもありました。というのも、当時、物理の教科担当をしていた私のところに、何人かの生徒がパソコンの話をしに遊びにきていたんですよ。

    実はそのころの私はIT関連の知識がほとんどなかったんです(笑)。

    物理だから他の教科の先生よりは詳しいだろう、みたいな感じで思われていたんだと思います。僕もITの世界には興味があったので『へー面白いね』と良くやりとりをしていました。後から考えれば、結局は僕が詳しいから来ていたんじゃなくて、興味を持って話をよく聞いてくれるから、という面が大きかったように思います。こういった学問以外の領域でも、生徒が関心を抱いていることを伸ばしていくのが教育の大事な部分だと思っています。

    だったら一度社会経験を積んで、視野を広げてから教育の現場に戻ろうと思ったんです。日本の教育をもっとよくしたいという想いが強まったんです。

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多くの社長に出会って変わった自分の価値観

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    うさぎ

    企業ではどんなお仕事をされていたのですか?

  • mizuno1

    水野

    人材コンサルティングの仕事がメインです。中小企業の社長と直接やりとりをしながら、会社の経営方針や人材育成について一緒に考えていくということをしていました。
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    うさぎ

    その時、起業のきっかけにつながる出来事があったのでしょうか?

  • mizuno1

    水野

    そうですね。自分がそれまで抱いていた社長へのイメージがガラッと変わったんです。

    トップに立って人や会社を動かしている人というと、すごい人ばかりなんだろうなと思っていたのですが、近い距離で関わっていると、彼らもひとりの人間としていろんな壁にぶつかっては乗り越えていっているんです。そこでふと、『自分にもできるんじゃないか』って思いました。それに、65歳くらいの、とある社長さんが『今が人生で一番楽しい』と言っていたのがとても印象的でした。これって、企業という大きな組織を持って夢を叶えようとしているからこそ言えるんですよね。自分もそんな生き方をしたいと思いました。

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    うさぎ

    Life is Tech!の誕生はここからだったんですね。

  • mizuno1

    水野

    ただ、この時も『教育をもっとよくしたい』という芯の部分は変わっていなくて。ひとりの先生としてよりも、会社として規模を大きくして、影響力を強めていこうと思ったんです。

    そこで2010年に仲間と一緒に会社をつくったのが、今のLife is Tech!です。

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    うさぎ

    教育とITというビジネスモデルは、当初から描いていたのですか?

  • mizuno1

    水野

    いえ。教育に特化した会社をつくるとは決めたものの、全くゼロからのスタートでした。

    ビジネスの参考にしたのは、『キッザニア』と『ディズニー』です。エンターテイメントの要素を教育に取り入れる手法を重視したくて、創業時からのメンバーとあれこれアイデアを出していくうちに、『IT×教育』という軸にたどり着きました。

    当時はちょうどIT技術の進化が加速していっていた時期で、これから教育の分野でも必ず必要になってくるはずだと。とはいえ、ITのことなんて全然分かっていなかったので、とりあえずGmailのアカウントつくって、ケータイをiPhoneにして……といった具合でした(笑)。

後編では、Life is Tech!の現在の取り組みと、現場で活躍する先生へのメッセージをうかがいます!

後編はこちら Life is Tech!代表・水野雄介氏に聞く、これからのIT教育 後編