同じ生徒ばかり発言しがち? 授業中に生徒を指名する時のポイント

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普段、先生が授業を進めていく中で必要不可欠になる生徒の指名。先生から一方的に教えることになってしまう授業の仕組みを避けるために、ほとんどの教育の現場で「先生が生徒を指名して質問に答えさせる」といった場面は出てきます。しかし、生徒たちは指名されるのを嫌がったり、授業の中で指名されそうな部分だけを予習復習したりするなど、マイナスの要素があるのも、先生方が感じ取っている事実ではないでしょうか?場合によっては、指名の仕方のせいで生徒に「苦手な先生」扱いをされてしまうこともあるかもしれません。生徒との良好な関係を保つために、今一度、指名の方法や注意点について振り返ってみませんか?

目次

指名した生徒と先生だけの1対1のコミュニケーションになってしまうのを避ける

指名されていない生徒は、「自分は答えなくて大丈夫だ」と思い、授業の内容を他人事と捉えてしまう危険性もあります。これを防ぐには、先生はひとりの生徒を指名する前にクラスの全員に問いかけ、全員が質問の返答を考えられる空気をつくることもポイントです。

例えば、授業で取り上げた内容について、まず教室内全体を見渡しながら「これについてどう思いますか?」と問いかけ、少し間を置いてから、ひとりの生徒を指名する方法があります。

ところが、はじめから「◯◯さん、これについてどう思いますか?」と指名してから質問をすると、他の生徒は傍観者の意識を持ってしまいがちに。

前者の方法であれば、クラス内の全員が指名されたときに備えて真剣に考える環境が生まれるため、ひとりに答えさせるのではなく、続いて2人目、3人目と指名し、答えのバリエーションを提示しやすくもなります。生徒全員が有意義に授業時間を過ごせるよう、先生と指名した生徒だけの1対1のコミュニケーションにならない工夫をしましょう。

他にも、クラス内の生徒全員が主体的に授業に参加できる指名方法はあります。今回は、すぐに実践できる2つの簡単な例をご紹介します。

全員に考えさせる指名方法1:ノートに解答を書かせる

まず、答えがある程度決まっている場合は、「その答えはどこに書いてありますか?」などと先生が全員に問いかけ、その後、答えをノートに記入する作業を全員で行います。

例)
「その答えはどこに書いてありますか?」
→「その語を/その文を/その部分を/その段落を、指で押さえなさい。」
→「それが分かる文の横に線を引きなさい。」
→「その語を/その文を、ノートに書きなさい。」
→その後、数人の生徒を指名して答えさせる。

上記のような方法ならば、最終的にクラスの生徒全員のノートに解答や意見が書かれていることになるので、ノートを提出してもらえば、それぞれの生徒の理解度を後で確認することが可能です。

全員に考えさせる指名方法2:ひと目で全員の理解度が分かる挙手の方法

先生がクラス全体に投げかけた質問に対して、生徒一人ひとりの考えがどの段階にあるのかを一目で確認できるのが、挙手に三本の指を使ったバリエーションをつける方法です。答えを考えている頭の中の進捗状態を三本指で教師に合図させる方法は、全員を学習に参加させ、教師も全体の状況を知るのに役立ちます。生徒が示すサインに以下のようなルールを決めるのもいいでしょう。

例)
一本指:手がかりはつかめた
二本指:だいたいまとまってきた
三本指:答えが固まった

指名した生徒の成績や能力を考慮する

また、個人の生徒を指名する際には、普段の様子からその生徒の得意なこと、苦手なことなどを細やかに考慮した上で対応することが重要です。

文部科学省でも、指名する際には以下のような見通しを個々の生徒に対して先生が持つことが大事だとされています。

「この問いに対してはどう答えるだろう」
「どこで行き詰まるだろう」
「この学習活動をどれくらいの時間で終えるだろう」
「どのようにこなすだろう」 など

生徒を指名して教科書の音読などをさせる「指名読み」の際には、内気な生徒、早口の生徒、声の高い生徒などのそれぞれに合った部分を読ませ、時には「情景に合った読み方ができましたね」などと褒めて、自信を持たせることも大切です。

授業中の指名の本来の目的は、生徒の理解度を確認したり、授業への主体性を高めたりすることです。指名されること自体に生徒たちがマイナスの意識を抱いてしまわないよう、先生の配慮も重要です。