大人になってもずっと手元に置いておきたい 卒業文集制作の基本

pixta_15109678_M

卒業を控えた子どもたちが制作する卒業文集。中には、将来を左右する受験の時期にそのような思い出作りの品に時間を割くことを「もったいない」と感じてしまう子どもたちや保護者の方々もいるかもしれません。しかし、かつての自分がどんなことを考えていたのかを大人になってから振り返るには、しっかりと文章で綴られた作文が効果的。大人になってからふと読み返したときに、思わぬ発見や気づきを得ることもあるでしょう。そこで今回は、卒業文集の意義や、制作の際の先生の留意点、作文のテーマ例などを簡単にご紹介します。

目次

卒業文集の意義

有名人や、世の中に功績を残した人の過去を振り返るための記録としてよく取り上げられるのが、卒業文集での作文です。例えば、メジャーリーガーになった人が子どもの頃から同じ目標を夢として綴っていたことが分かったり、反対に改めて読み返すと、笑ってしまうような突拍子もない内容だったり……。時を経て「あの頃」の自分が語っているからこそ価値のある作文は、コンクールに出品する読書感想文や、「◯◯に関する作文」などの課題作文とは全く方向性が異なります。また、数年間通って学んできた学校を卒業することは、子どもたちの人生にとって大きな節目でもあります。今の自分や将来の目標とじっくり向き合うためにも、卒業文集の制作は重要な役割を担っているのです。

卒業文集の作文を書き始める前に

まず先生は、普段から授業の一環として子どもたちに作文を書かせる場合と同じように、どんな目的で、どんなテーマで卒業文集用の作文を書くのかを指示します。

卒業文集用の作文と他の課題作文との違いは、保護者にも配布したり、学校に置いたりと、長期間保管される可能性が高いこと。つまり、この時期に書いた作文が、一生残る作品にもなりうるのです。これらのことを先生がしっかりと伝えることで、子どもたちは「しっかり考えて書かなくちゃいけないな」と自覚するはず。その例として、前述のように、現在活躍している著名人の子ども時代の作文を紹介するのもいいでしょう。

また、作文が苦手な子どもや、自分の想いなどを語ることに抵抗を感じてしまう子どもも中にはいるかもしれません。そこで、これまでの卒業生の卒業文集を見本としてしばらく教室に置いておくのも手段のひとつとしてあります。「あの先輩はこんな風に思っていたんだ」、「先輩が書いたのだから自分もできる!」と、やる気を出しやすくなります。

卒業文集の作文テーマ例

卒業文集に載せる作文のテーマはさまざまです。子どもたちに自由にテーマを決めさせることもありますが、その場合も例を挙げると書きやすくなるでしょう。
例としては、以下のようなものがあります。

・将来の目標
・お世話になった人とのできごと
・学校生活の中で心に残っていること
・生まれてから今までの生活の中で一番思い出深いこと
・小学校入学以前の思い出

また、作文だけでなく卒業文集には「ひと言ページ」などさまざまな特集などを盛り込むことも可能です。子どもたちと相談しながら、大人になってもずっと手元に置いておきたい卒業文集を作るように先生の方でも工夫を凝らしましょう。

卒業文集の作成は、子どもたちにとって学校生活の中で最後の取り組みになる場合も。それと同時に、先生にとっても、担当する子どもたちの想いを知る最後の機会でもあります。先生も子どもたちも、数年後に手にとって読み返した時、懐かしさとともに温かい気持ちになれるよう、心を込めて作成したいものです。もしかしたら、子どもたちが大人になって同窓会を開いたときなどに、みんなで読み返して盛り上がるようなこともあるかもしれません。