先生のひと言がカギを握る?生徒の自己肯定感を育てるために

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文部科学省の教育再生実行会議の中で、「日本の子どもたちの自己肯定感が低い現状を改善するための環境づくりについて検討する」と発表がありました。日本は、子どもたちの学力が高い一方で、自己肯定感が低い現状があります。松野博一文科相は「グローバル化の中でアクティブ・ラーニングを推進していくにあたり、子どもたちの自己肯定感が低いのは根本的な問題である。」と話しています。生徒の自己肯定感を育むために、先生はどう寄り添っていけば良いのでしょうか?今回は、自己肯定感を育てる上で大切なポイントをご紹介します。

目次

そもそも「自己肯定感」とは?


自己肯定感とは、読んで字のごとく、自分で自分の存在を積極的に認めること、自分を否定しないことを指します。文部科学省では、小学校高学年において「自己肯定感を持ち始める時期ではあるが、発達の個人差から自己に対する肯定的な意識を持てず、自尊感情の低下により劣等感を持ちやすくなる時期でもある」と、自己肯定感の育成を重視すべき課題と認識しています。

自己肯定感が低い人には、下記のような特徴が挙げられます。

・いつも何かに心配している
・他人の目を気にしすぎる
・必要以上に自分を責めてしまう
・誉め言葉を信用できない

つまり、自己否定感が高いということ。何かあったときに、自分自身を否定してしまう傾向が高い状態なのです。


自己肯定感は「高める」よりも「失わせない」のが大事


自己肯定感が低い状態から高めようとするのは、とても大変です。そこで、先生は生徒の自己肯定感を無理矢理に高めるのではなく、失わせないようにすることが大切です。そのために先生ができることは、しっかり生徒の話を聞くこと。生徒の話を否定せず、「そう思ったんだね。」と相づちを打ちながら最後まで聞くことで、生徒の存在を肯定していることにつながります。
生徒の感情に対しても同じことが言えます。さまざまな感情が起こるのは、ごく自然なこと。悲しい、悔しい、怖い、不安といった負の感情も、「そんなことで泣かない」「そんなこと言ってはいけません」と否定してしまうと、生徒は次に負の感情を抱いたときに、いけないことをしている感覚に陥ってしまいます。悲しいときは悲しみ、不安なときは不安になっていいのです。ありのままの感情を受け止めてあげることで、「私は私のままでいいんだ」と自己肯定感に繋がっていきます。


生徒の「できること」にまず目を向ける


劣等感からくる自己肯定感の低下を防ぐために、まずは「自分には他に得意なことがある」と開き直ることも大切です。

例えば、ある生徒の隣の席の友人が、数学が得意だったとします。けれど生徒自身は数学が大の苦手で、単純な計算問題もスラスラ解けません。自己肯定感の低い生徒は、「あの子はできるのに自分は……。」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。しかし一方で、その生徒は英語が得意で、隣の席の数学が得意な生徒に、英語の問題を解くコツを教えてあげられるかもしれません。自己肯定感が低い生徒は、自分のできないことに目が行きがちです。その分、先生がそんな生徒の得意な分野を見つけて取り組ませることが大切です。


「褒める」ことに意識を向ける


自己肯定感が低い人は自分の存在にも否定的です。今の自分が好きになれない、周りの人よりも劣っている自分が嫌だ、そう感じる生徒がいたら、自分の状況に気づき、少しでも変わりたいと願っていること自体を、褒めてあげましょう。「よく気づいたね」、「よく自分の気持ちが言えたね」などと、まずは先生が認めてあげるのです。褒めてもらうと、少しずつ自分に自信を持つことができます。
加えて、生徒自身でも、自分のことを褒めてみるよう伝えましょう。自分を褒めるには、今の自分を認めたり、自分のいいところを探すことにつながります。その結果、自己肯定感が深まっていくはずです。

自己肯定感の低さは、生徒だけではなく現代を生きる大人にも言えることです。特に先生は、生徒とも保護者とも向き合い、誰からも褒められることなく仕事をする人が多いのではないでしょうか。上記で書いたことは生徒だけではなく、そんな先生にも当てはまります。たまには、頑張っている自分を褒めてみましょう。生徒は先生の姿をよく見ています。生徒の自己肯定感を高めることで一番大切なことは、まず先生自身の自己肯定感を高めることかもしれません。