学校における情報モラルに関する取り組みまとめ

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近年の情報社会は著しく発展しています。今や小学生からスマートフォンを持ち歩くのは当たり前の世の中。これに付随して、インターネットを利用した問題も数多く発生しています。しかし先生の中には、情報モラルの指導の必要性を感じてはいても、生徒の置かれている情報環境の違いや家庭の考え方の違いから、実際に取り組むことは難しいと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、文部科学省で提示されている情報モラルの実践例集を参考に各学校の取り組みをまとめました。

目次

生徒会による自主的な取り組み―青森県

青森県立三沢高等学校では、平成24年より生徒、保護者、先生が校内の問題について協議する「モスサミット」と呼ばれる三者協議会において、携帯電話のルール―について継続的に話し合いが行われました。三沢高校は、携帯電話・スマートフォンの校内での使用が禁止されており、玄関を出た校舎外でしか使用ができません。一方で、ルールに違反し授業中や昼休みに使用する生徒が後を絶たないのが現状です。そこで生徒側は、携帯電話・スマートフォンのルール緩和を求めると同時に、生徒自身のマナー向上に積極的に取り組んでいます。

【実際に行った取り組み】
・生徒会は携帯電話の違反者をなくすという方針を掲げる
・生徒が情報だよりを作成し、生徒の携帯電話のマナー違反の推移を公開
・登下校時に玄関で、生徒会が携帯の電源を切るよう呼びかける

「モスサミット」で生徒が自分たちの意見を表明する機会を与えられたことで、その責任を果たそうと自主的に取り組みを始めることができたといいます。生徒による主体性や問題意識を重視した取り組みは継続して行い、今後は先生によるインターネットの安全講座や違反者に対する個別指導を並行して行っていくそうです。

ケータイマナーアップ宣言―茨城県

茨城県那珂市立第四中学校では携帯端末の利用時のマナーや注意点に関して話し合いを行いました。第四中学校だけでルールやマナーを決めても、周囲の学校とも歩調を合わせていかなければ、生徒の交流の点で意味がありません。そこで「ケータイマナー」の作成を目指し、市内外の中学校への普及を図っています。

【実際に行った取り組み】
・警察本部サイバー犯罪対策室から講師を招き、「サイバー犯罪の現状と被害防止対策について」の講和を実施
・先生、生徒、保護者をパネリストにし、「ケータイマナーアップ」というテーマでパネルディスカッションを実施
・クラス単位でも携帯電話やスマートフォンの利用に関して話し合いを行い、最後はその内容を発表

警察から講師を招き講話を聞くことで、生徒自身が問題意識を高められ、自らを守るためのマナーについて考えることができました。また、新聞社に掲載を依頼し、学校内外にアピールすることで、保護者や地域の共感を得ることができ、問題意識を持ってもらうことに成功したようです。

生徒から学ぶ教員スマホ研修―兵庫県

兵庫県立姫路別所高等学校は、インターネットトラブル防止に関わる啓蒙活動を生徒主体となって取り組んでおり、全校生徒に向けて活動を行ってきました。今回の取り組みは、先生に今の高校生の実態を知ってほしい、という生徒会メンバーからの声によって生まれたそうです。

【実際に行った取り組み】
・全校生徒及び全教員を対象にアンケートを実施
・数回にわたる先生と生徒の対話の場「生徒熟議」と、アンケートの集計結果を分析
・教員研修

ポイントは、あらかじめ先生方にアンケートや教員研修の狙いについて、職員会議や打ち合わせで周知を図ったのがです。インターネットにまつわる生徒の実態については、先生方の予想と大きく離れた部分もあり、先生の生徒理解の重要性を再認識する場となりました。また、先生と生徒との信頼関係がより深まり、その後にネットトラブルの講座を先生が実施したところ、生徒の聞く姿勢にも良い影響があったそう。

このように事例を見てみると、先生が主体となって行うのではなく、まずは生徒が主体となって動けるような取り組みが多くあったのが印象的です。先生が一方的に指導してしまうと、生徒が考える機会が減ってしまう場合もあります。生徒自身が携帯やスマートフォンの問題に関してどのような意識があるのか、どのように使用しているのかを知った上で、間違っている場合は何がいけないのか、生徒自身に考えさせるのが大切です。