次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめのポイント 具体的な改善の方向性 全学校段階編

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先生方が注目するトピックのひとつである『次期学習指導要領』の内容。これによって、現場での子どもたちに対する接し方が大きく左右されるといっても過言ではありません。今回は、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会において8月26日にまとめられた、「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」のポイントを数回にわたって簡単に紹介していきます。
この記事では、具体的な改善の方向性について4つの観点のうちの3つ目までの内容をまとめました!

目次

1.学習指導要領等の枠組みの見直し

重要なのは、学習指導要領が、学校教育を通じて子どもたちが身に付けるべき資質・能力や学ぶべき内容などの全体像を分かりやすく見渡せる「学びの地図」としての役割を果たすこと。全ての教科等について、それらを学ぶことでどのような力が身に付くのかを、資質・能力の観点に沿って明確にし、幼児教育から高等学校教育までを見通しながら、教育目標や教育内容を再整理します。

そこで、子どもたちに「生きる力」をバランスよく確実に育むことを目指します。そのために、全ての学習の基盤となる力や、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力が、教育課程全体を通じて育成されるよう、教科との関係や、教育課程全体としての教科横断的なつながりを総則で明示します。

全ての学習の基盤となる力について、発達の段階に応じて確実に育むことができるよう、関係する教科などとのつながりを整理が重要です。また、ここで言う「全ての学習の基盤となる力」は以下の内容のことを示します。

・言語能力(読解力など)
・情報活用能力(プログラミング的思考やICTを活用する力など)
・問題発見・解決能力
・体験から学び実践する力
・多様な他者と協働する力
・学習を見通し振り返る力  など

加えて、現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力についても、各学校が地域や子どもたちの実情に応じて教科横断的な視点で確実に育むことができるよう、関係する教科とのつながりを整理することも重要です。ここで言う「現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力」とは、具体的に以下の内容のことを示します。

・健康・安全・食に関する力
・主権者として求められる力
・グローバル化の中で多様性を尊重し、日本の領土や歴史について理解し、伝統や文化を尊重しつつ、多様な他者と協働しながら目標に向かって挑戦する力
・地域や社会における産業の役割を理解し地域創生等に生かす力
・自然環境や資源の有限性の中でよりよい社会をつくる力
・オリンピック・パラリンピックを契機に豊かなスポーツライフを実現する力  など

さらに、「社会に開かれた教育課程」の理念のもと、学校と家庭・地域との連携・協働の活性化を図ります。
学習評価については、資質・能力の確実な育成につながるよう、目標と評価の観点を一致させるとともに、資質・能力を多面的、多角的に見取る評価の工夫を促進します。

子ども一人ひとりの資質・能力の育成を支援する視点に立ち、特別支援教育や日本語の能力に応じた指導などを教育課程全体にわたって重視。加えて、一人ひとりの学習課題や進路等に応じて、個に寄り添った指導やキャリア教育なども重視。

2.教育課程を軸に学校教育の改善・充実の好循環を生み出す「カリキュラム・マネジメント」

日本の教育課程は、各教科と、特別活動や総合的な学習といった教科横断的な視点で学びを深める領域とで構成されています。こうした教科と領域における教育双方の強みや良さを生かしつつ、教育課程全体としての力を発揮させて資質・能力を育成できるよう、各学校における「カリキュラム・マネジメント」を促進していきます。

こうした「カリキュラム・マネジメント」のあり方を、以下の3つの側面から整理。地域の文化や子供の姿を捉えた、各学校の特色づくりを活性化します。

①各教科の教育内容を相互の関係で捉え、学校教育目標を踏まえた教科など横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
②教育内容の質の向上に向けて、子どもたちの姿や地域の現状に関する調査や各種データなどに基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立すること。
③教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。

3.「主体的・対話的で深い学び」の実現(「アクティブ・ラーニング」の視点)

「アクティブ・ラーニング」の視点は、学校における質の高い学びを実現します。これは、子どもたちが学習内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにするためのもの。「学び」の本質として重要となる「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指す授業改善の視点は以下の3つです。

①学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。
②子ども同士の協働、教職員や地域の人との対話、歴史を手掛かりに考えることなどを通じ、自己の思考を広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
③各教科で習得した概念や考え方を活用した「見方・考え方」を働かせ、問いを見い出して解決したり、自己の考えを形成し表したり、思いを基に構想、創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。

こうした視点を教科を越えて共有するとともに、各教科の特質に応じた「主体的・対話的で深い学び」について整理し、指導事例集の作成などに反映していきます。

また、各教科における視点や考え方を整理し、「言葉による見方・考え方」、「数学的な見方・考え方」などとして指導内容と関係付けて示していくことで、子どもたちが学習対象と深く関わり、理解の質を高めていけるよう、教材や指導方法に反映していきます。

【参考資料】
文部科学省『次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめのポイント