手で書くとこんなに違った?デジタル世代での手書きの重要性

Hand holding black pencil and writing on blank open notebook with smartphone beside it on wooden table,Digital media concept

ICT教育を重要視し、パソコンやタブレットを用いた授業のスタイルが広がりつつある昨今。近い将来には、生徒一人ひとりが自分用のタブレットで授業を受けることになるかもしれません。現在も日常生活でスマートホンやパソコン、タブレットを使いこなす生徒も多いでしょう。例えばメモを取る場合、手で書くよりもこういったICT機器に打ち込んで記録することも増えてきているではないでしょうか。しかし、何でもデジタルでできる時代だからこそ、手書きの重要性は忘れられがちかもしれません。そこで、今回は、手書きだからこそのメリットを改めて振り返ってみました。生徒に対してだけではなく、先生に当てはまる部分も多いはずです。

目次

記憶力の定着率が高い

ノートを取るとき、ペンで文字を「書く」という行為が脳を刺激し、パソコンなどで記録するよりも脳への定着率が良いといいます。人がノートを取っているときは、耳で聞き、それを理解し、ペンを動かし、書いた文字を目で見て読む、といった行為を一瞬で行っており、タイピングするよりも脳の多くの領域を刺激しています。実際に、アメリカのプリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者により、パソコンに打ち込むより手書きでノートを取る学生の方が、全体的に成績が良いことが判明したそうです。また、手で書くという行為は、他の活動で使われない脳の領域を刺激するため、想像力を高め、アイデアを出しやすくする効果があります。

思考の整理が出来る

私たちは普段の生活の中で、物を整理したり、ゴミを分別したり、目で見えるものの「仕分け」をしています。しかし、頭の中で考えていることは目に見えないため、受け取った情報を上手に仕分け出来ず、ごちゃごちゃになってしまうことも……。生徒の場合は、勉強した範囲が広いと情報が混乱してしまっている場合もありますよね。いくら頭で考えても堂々巡りのため、そんなときは書き出すことで物事を可視化して、仕分けることを生徒にすすめてみてはいかがでしょうか?思考の整理が出来ると、何が必要な情報なのか瞬時に理解し、端的に話すことが出来るようになります。つまり、書くことで、同時に伝える力も養うことが出来るのです。

ストレスへの対処

思春期の生徒に悩みはつきもの。しかし、先生を含む大人たちに自分の考えや気持ちを知られることを極端に嫌がる時期でもあるため、なかなか自分の気持ちを言えないこともあるでしょう。しかし、小さな悩みでも、抱え込むとストレスになってしまいます。そんな時は、人に言えない分、自分の気持ちを紙に書き出すことでストレスはある程度解消されると言われています。書き出すことでストレスの原因を自分の外に出し、気持ちが落ちついて冷静になることが出来るのです。どうしてイライラしているのか、何が悲しいのか、つらいのか、客観的に自分を見つめることで、考えているだけでは浮かばなかった解決策が浮かぶこともあります。

このように、「書く」という行為は、情報をより多く覚えるだけではなく、それを整理したり、ストレスに対処したりと、生徒が成長していく上での手助けをしてくれる力をつけることが出来ます。もちろん、先生自身が生徒のことを考えたり、タスクを整理する際にも同様です。

不必要な場面での手書き文書の作成など、アナログな体制が問題視されている教育の世界。しかし、ときに「手で書く」という行為も大切であることを、今一度生徒と一緒に考えてみてはいかがでしょうか。